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2011年5月 7日 (土)

鳥飼玖美子『国際共通語としての英語』

英語をこのように勉強しろ!のような本、TOEIC対策の本、受験用の英語の本、○○日で英語ぺらぺら・・・等々の本は書店に山のようにあります。しかし、本当に英語を何のために学ぶのか、英語はどういう言語か、根本を問う本は大変少ないです。英語学、第二言語習得論に基づく本も、専門書になってしまうので、一般の方に馴染みがないでしょう。本当は第二言語習得論の本をもっと普通の方に読んでほしい。英語を学ぶなら、英語に興味を持つならば。

鳥飼玖美子『国際共通語としての英語』 講談社現代新書

この本はそういう意味で皆さんに読んでねとお勧めできる本です。英語をコミュニケーションとして使うとはどういうことか、コミュニケーションという言葉が英語活動とセットとして使われる昨今、グローバル時代に世界共通語となった英語と私たちがどう向き合うのかという視点で書かれています。

私には授業でおなじみの欧州共通言語参照枠=CEFRや、plurilingualism(複言語主義)など縦横に語られます。(私の師匠はCEFRと複言語主義やバイリンガリズムの専門家でいらっしゃいます)。すでに新聞・雑誌における鳥飼さんのインタビューでも見受けられた「ネイティブでない私たちが目指す英語とは国際共通語としての枠組みでの相手に通じる英語だよ」という主張になっています。今はネイティブスピーカーと話すより、英語を母語でない人同志で話す局面が急速に増えています。私たちは母語話者同様に話せなくてもいいのです。色々な人に通じれば。ただし、ブロークンな適当な会話ではなく、一定の枠組みも必要ですし、話す以上にメールでやり取りしたり、ネット上での英語も大きくクローズアップされています。

同時通訳として登場以来、鳥飼先生は私ぐらいの世代にはあこがれの人でした。そして今立教大学大学院で教べんを取られているその知見は、英語学を学ぶ、英語を学ぶ人たちを照らす光です。学術的な知識を実際に必要とされる現場に生かせるなら、日本の英語の状況も変わりうるのではないでしょうか。ぜひ、お読みくださいね。私は図書館で借りたのですが、多くの方に読んでいただきたいです。

こういう本を取り上げる勉強会もいいかもしれませんね。実際、本書で取り上げられている学術書の多くは私が読んでいる本だからです。当該個所を取り上げてディスカッションできると、きっと大人の方々にとっては刺激のある学びでしょうから。

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